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「白と黒」その9

立花 隆,日高 敏隆,多田 富雄,河合 雅雄,松井 孝典
まだ気温は高いものの日差しは明らかに柔らかくなってきて、そういえば秋分の日はもうすぐそこ、という今日この頃。
本にあった「地球の生命体は太陽のエネルギーが様々に形を変えて遊んでいるようなもの」という科学者の言葉がもうずっと忘れられないのですが、太陽エネルギーが弱くなっていく季節に寂しさを感じるのは、至極まっとうな生命体の反応ということでしょうか。

さて、そんな一抹の寂寞感とは無縁の「白と黒」。

「エデンの東」と「太陽がいっぱい」の次はさしずめ「美しき諍い女」でしょうか。
画家とモデルの情熱の絡まり合いを描いた芸術性の高い作品ということで、上映当時は随分話題になったはず。
こんなところからも作り手の美意識が伝わってくるドラマですが、昨日は今まで喫煙シーンのなかった聖人に煙草を吸わせるなど、小道具の使い方がちょーっと平凡だったかな。確かに煙草は、「待つ男」に一番しっくりくるアイテムなんだけど、現代ってほら、煙草を吸わない男がデフォじゃないですか。そこに新たな小道具の開発、もしくは行動の工夫をしてみても面白かったかな、なんて思うんですけどね。

先週までの聖人の小さい悪巧み劇場から舵を切って、今週はやっと4人の関係性に動きが出る様子。 
章吾が聖人に罰を与えなかったことによって、早々に礼子の絵を描く機会を得た聖人ですが、その繋ぎはかなり強引な展開で、いっそ先週1週間分飛ばして絵の話でもよかったじゃん、と昨日は思っていました。でも今日の放送分を見るに、聖人が礼子を描くときには、礼子に「怒り」が必要だったのかな。だから礼子が聖人に対してより「怒る」エピソードを挿入した。 もちろん中村さんや100万円とかが後への伏線にもなるのでしょうけれども、何より必要だったのは礼子のほとばしらんばかりの強い感情で、後々高く跳ぶための長い助走といわんばかりのパッション、と思うとなるほど納得なのです。  

そして今週は、1部のラストですぽっと抜け落ちていた礼子の心理描写も明かされていく様子。 つくづく製作者は見る側の継続視聴、前傾姿勢視聴を前提に作っているよなぁと思わされ、そういう職人風なところは継続視聴した甲斐があろうというものでホッとします。 坂上かつえさん、こんな長丁場の組み立て、凄い拍手

「一葉のことはわかりすぎるが、礼子は内に何を秘めているのかわからない」という聖人のセリフの通り、1部の終わりからずっと視聴者が掴みづらいのは礼子の内面。それを表すかのような公式HPの相関図の礼子の点線(笑)ですが、礼子がモデルである間は聖人の目に重なって、彼女を解体していくのがよろしいのではないかと思います。
中年のオッサンみたいな気分になってきますが。

そういえば、一葉はちょっと考え違いをしていましたかね。
もっと聖人からの報酬を願う依存的な心理に縛られているかと思いきや、彼女の行動原理は対抗心らしく。 だとすると、聖人が目的のために一葉を選んだように、一葉も「VS礼子」で聖人を選んだということ。さすが、本人は無自覚だけど目的のためなら中絶したという嘘をつける女、なのでした。

しっかしモデル礼子の出しているほうの耳にハイビスカスを飾りたい。
色白ではあるけれど、長い黒髪がゴーギャンの絵を彷彿とさせる佇まいですよ、礼子さんかわいい



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